
大麻を自家栽培してるのっ
※日本国内での大麻所持、使用は法律で禁止されております。
リエと外国人BARで一緒に遊んでからというもの、なにかと一緒に遊びに行くことが多くなった。
毎回、同じ外国人BARで待ち合わせをして
1〜2杯だけ酒を飲み、リエが持ってくる大麻のジョイントを例の非常階段で吹かし、ニヤニヤとなんでもないことを話す。
リエはチャイナブルー
私はダークラムとコーラを混ぜたもの
いつもこのオーダーだった。
いつの間にか、リエとは飲み友とチル友を混ぜたような関係になっていた。
だが5回目ぐらいで
毎回、毎回ジョイントをもらうのは悪いので私はリエに言った。
「ジョイントもらえるのは嬉しいんだけど、毎回もらってばかりじゃ悪いよ」
そう言った反面、内心ではジョイントは欲しくて欲しくてたまらなかった笑
でも毎回もらうのも悪いと思っていたのは本当だ。
自分の分は自分で買いたいけどお金がない
すごくジレンマだった。
でもリエは
「大丈夫大丈夫。大麻を自家栽培してるのっ」
私は驚いた
え?
こいつ自分で栽培してるの?
マジでやばい女じゃん
笑笑笑笑
本気でそう思った。
そして私は笑いながら言った
「え?栽培してるの?自分の家で?」
「うん。今度見にくる?」
更に私は驚き、戸惑い、過去に無い経験のため思考が停止した。
めっちゃ見に行きたい
とも思うし。
これ以上関わるとやばいのではないか?
と、怖い気持ちもあった。
「え?見に行っていいの?」
「うん。いいよっ」
「え?待って笑。 正直言うとすごく困惑してる。リエのぶっ飛び具合に驚いてる。普通は大麻なんて栽培してないし、しかもそれを見にくる?って、逆に見ていいの?って感じ」
リエはなぜか嬉しそうだった。
そしてこう言った。
「貴方は誠実な人だから信頼できると思った。初めて会ったのに私に 頭がおかしい って正直に答えるし、一緒に遊んでも口説きモードに入らない人だし、ジョイントだってタダでもらうのは悪いって言ってくれた。だから信用できると思ったから誘ったんだよっ。不安なら見に来なくてもいいよっ」
私は褒められてるのか?
リエから見たら、私は誠実な人間らしい。
普通に接していただけなんだけど、、。
「わかった。そこまで信用してもらえるなら、栽培してるところ見せてよ」
と、私はこの時にリエの自宅の大麻を見せてもらう約束をした。
初めての自家栽培大麻
数日後の週末
私はリエの家へ出向いた。
「なにかの間違いでリエとワンチャン、ヤルことにならないかな?」
そんなくだらない事を考えながら、教えてもらったリエの自宅に向かう
待ち合わせ場所でリエと合流して、少し歩いて家に着いた。
リエの自宅は普通のアパートとマンションの中間みたいなハイツ?
3階建てで、しっかりしたマンション
って感じの普通の物件だった。
そして玄関を開けて最初に感じた。
「この匂い、、、。」
なにやら
お香か香水か、それとも栽培してるという大麻なのか
玄関に入っただけで、鼻につく香りだった。
そして部屋に案内された。
その部屋の隅には
デカイ黒い四角いものが置いてあった。
その黒いものにはチャックが付いていて、リエがそのチャックを下ろして開けてこう言った。
「これはグロウテントっていって、この中で大麻を育てるんだよっ」
そこには大麻が栽培されていた。
おいおいマジかよ笑笑
初めて見た。
整列した大麻
眩しいライト
常に回ってる扇風機
変なダクト
10−15鉢ぐらいはあっただろうか?
想像していたより量が多い
テントの中は小さな大麻畑になっていた。
こんなにあるの?
すごい!!
うわー初めて見た
すげー!!
と、私は興奮して思いつく言葉を発していた。
「かわいいでしょ?1本あげるねっ」
と、リエはいつものジョイントをくれた。
「今日はそれ1本吸っていいよ。いっぱいあるから」
と、収穫して乾燥した大麻を入れてあるビンを見せてくれた。
とにかく「すごい」としか言葉がでなかった。
そして、もらったジョイントに一緒に火をつけた。
今日は回し吸いじゃない
1人1本の贅沢チルだ笑笑
2人でいい感じにラリラリになり、話の流れでなんとなく私はこんな事をリエに聞いた。
「こんだけあれば、好きなだけ吸えるね。いいなぁ」
「自分で育てたら?教えてあげるよっ。売るとお金になるしっ」
「どのぐらい儲かるの?」
「私はそんなに多く作ってないけど、月に100万円ぐらいなら簡単だよっ」
え?
100万円!?
そんなに儲かるのか?
お金に困っていた私は、リエから探るように会話をすすめる。
「でも育てるの難しいんじゃないの?」
「色々世話はあるけど、難しいってことはないよっ」
「始めるにはどのぐらいお金がかかるの?」
「用意する道具にもよるけど10−20万円ぐらいあればできるよっ」
「育てたとして、どこで売るの?」
「友人、知人に細かく売ったり。一気に大量にプッシャーに卸したり方法は色々あるよっ。私はプッシャーにまとめて卸してる」
こんなことをリエに、あれこれ聞いた記憶がある。
その後、私は大麻でラリっていた影響と、自家栽培を見せてくれたリエに対する気の緩みができたせいか、自分の借金について話した。
「私には借金が300万円ある。もしも月に100万円も稼げるなら栽培をやってみたい。けど初期費用のお金がない」
だいぶ端折ってあるが、こんなことをリエに伝えた。
いまにして箇条書きすると、当時の私はなんて情けない男なんだ笑笑
するとリエは爆笑しながらこう言った。
「じゃあ、リエの育てた大麻を売って初期資金集めよっ爆笑」
またとんでもないことを言い出した笑笑
「え?どういう意味?」
私はリエに尋ねた。
「貴方に60gだけ分けてあげるからそれを1g5000円で売るのっ。全部売り切れば30万円になる。その半分の15万円はあげるわっ。それを初期費用にして栽培を初めて借金を返せばいい。」
とんでもないことをリエは笑いながら、私に話した。
そして更に続けた。
やるのかやらないのかは貴方が決めて。
もちろんリスクはある。
自己責任。
でも貴方の借金はこのぐらいのことしないと返せないと思う。
そんなようなことを言われた。
私はすごく悩んだ
胸がゴワゴワするぐらいに不安になった。
お金は魅力だけど、捕まってしまったらどうしよう?そのことだけが引っかかった。
だが
そうでもしなきゃ300万円の借金は返せない。
他に返済する方法のアテはない。
「人生の勝負時が来たら待った無しだ」
大好きなラッパー
イルボスティーノの言葉がよぎる。
プッシャーして初期費用を稼ぎ
数ヶ月栽培して、一気に売って逃げ切る。
それだ
それしかない。
一種の自己催眠である。
とにかく不安な気持ちを、大丈夫と自分で自分に言い聞かせる。
「決心した。やるよ、どうしたらいい?」
まずは栽培の初期費用を稼ぐために、私はリエの大麻を密売させてもらうことになる。
つづく。